シェルマン アートワークスの復刻CDについて

シェルマン アートワークスの復刻CDの収録方法

現在流通しているSPレコードの復刻CDは、レコードの音溝をレコードプレーヤー(電気再生装置)により、電気信号としてラインからCDへと収録するものがほとんどです。

弊社は蓄音器を用いてマイク収録することにより、独特なライブ感、演奏の生々しさを再現することに重点をおいて制作しております。また、録音に使用する蓄音器は、過去の物ではなく、素材・設計などに現代的アプローチを加えた新作のオリジナル蓄音器を使用しています。

蓄音器(アクスティック再生)とレコードプレーヤー(電気再生)の仕組みの違い

録音プロセスについて

◯ステレオマイクを通して1bit DSD収録

本復刻CDシリーズは蓄音器HOTOGY95を用いてSPレコードを演奏し、ホーンから出た音を、ステレオマイクを通して、高音質な1bit DSD(Direct Stream Digital)レコーダーで収録しています。音源となるSPレコード自体はモノラルですが、ステレオマイクを使用する事で、蓄音器再生の特徴である演奏の生々しさと奥行きが再現されます。

◯レコード針に竹針を使用

収録時のレコード演奏には主に竹針を使用しています。蓄音器の針の素材は鉄針が一般的ですが、鉄よりも柔らかい竹を使用する事で、貴重なレコード盤の保護とノイズ軽減の効果を得る事ができます。

◯原音を大切にマスタリング

収録後のマスタリングの際も、「可能な限り原音に近い再生音」を目指しノイズ処理やイコライジング処理などは行なっておりません。

復刻に使用した蓄音器「HOTOGY95」について

本復刻シリーズに使用している蓄音器「HOTOGY95」は、缶 史郎(ほとぎ しろう)氏[1911-2009]により現代に設計・製作された特別な蓄音器です。

缶氏は、国産マイクロフォン・メーカーの草分け「三研マイクロフォン株式会社」創業者の一人であり、日本初の純国産ダイナミック・マイクロフォンの開発者でもあった人物です。

2007年に完成した「HOTOGY95」は、蓄音器の命ともいうべきサウンドボックスから、独特の存在感を醸し出す巨大な牛革製ホーンにいたるまで、缶氏によるオリジナルの作品です。

その再生音は、戦前当時、蓄音器の大メーカーであったビクターやHMVなどのいかなる名器とも違う、リアルでファンタジックな「HOTOGY95」ならではの音の世界が広がります。

針先の振動を微弱な電気信号に変換し

アンプで増幅、スピーカーで音に変換する

蓄音器

レコードプレーヤー

SPレコード

SPレコード

サウンド

ボックス

カートリッジ

ホーン

アンプ

電線

電線

スピーカー

蓄音器は電気的増幅装置(アンプなど)を使用せず、レコードに刻まれた音溝を針先で読取り、サウンドボックスで空気を振動させて音に変えホーン(ラッパ)を通し再生しています

蓄音器による録音風景

振動板にチタン合金を使用した

缶氏、設計・製作のオリジナル

サウンドボックス「HOTOGY V」

竹針がSPレコードをトレースする様子

HMVの竹針(c.1930)を使用

蓄音器 HOTOGY95

設計・製作 : 缶 史郎

製作年 : 2007年 製作国 : 日本 

サイズ : ホーン径100cm、H160cm、D95cm

ホーン素材 : 牛革二層合わせ、カシュー仕上げ

サウンドボックス : HOTOGY V

収録にはステレオマイクを使用

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